Stem Cells(幹細胞)
幹細胞とは?
人間の体は、皮膚や血液のようにひとつひとつの細胞の寿命が短く、絶えず入れ替わり続ける組織を保つために、失われた細胞を再び生み出して補充する能力を持った細胞を持っています。それらは「幹細胞」と呼ばれ、主に2つの能力があります。
●分化能力... 皮膚、赤血球、血小板など、私たちの体をつくるさまざまな細胞を作り出す能力
●自己複製能力... 自分と全く同じ能力を持つ細胞に分裂することができるという能力

よく知られている幹細胞
脂肪由来
2003年、骨髄で作られた幹細胞の分解した一部が、脂肪細胞に蓄えられているという事が確認されました。
抽出が容易なうえ、量が多く比較的コストが掛からない為、主に美容業界で使用されています。効果においては適応範囲が美容等に向いていると言われています。また、脂肪幹細胞は最終的に大半がマクロファージになると言われています。日本で比較的安易に打てるのは、自分の脂肪(自家)の幹細胞です。
歯髄由来
臍帯由来
効果性は高いと言われているが、元来、ES細胞に近いが為にガン化するリスクも高く、取り扱いには注意が必要です。アジアでは材料になる臍帯の調達が容易である為、ポピュラーな幹細胞の一つです。ただし日本では規制対象になっており使用不可です。
骨髄由来
骨髄由来の幹細胞はBBB(血液脳関門)を通過することができます。更に、脳や神経を含むあらゆる細胞に成れる多能性をより高く有しています。サイトカインやグロスファクターにおいても脂肪や臍帯よりも圧倒的に含有量が多いことも確認されていますが、材料である骨髄の調達が極めて困難です。2019年に骨髄損傷患者向けに札幌医科大学と株式会社ニプロが共同開発したステミラック注(1,500万円)がこれにあたり、世界的に注目されています。
他家細胞 20歳代前半の特別に健康なドナーの幹細胞
自家細胞 ご本人の年齢、健康状態に大きく影響されてしまう幹細胞

国内で行なわれている治験はMUSE細胞(他家細胞)
※MUSE細胞 (Multilineage-differentiating Stress Enduring cell)2010年に東北大学出澤真理教授らのグループにより発見された。
急性心筋梗塞、脳梗塞、表皮水疱症、脊椎損傷
生体内の間葉系組織内に存在する自然の幹細胞であることから腫瘍化の懸念が少ない。
細胞に分化誘導する必要がなく、そのまま静脈内に投与するだけで損害部位に、遊走、集結し、生着して組織を修復する特長をもつ。
